社会保険料の計算方法(2026年・令和8年)標準報酬月額から手取りまで
このガイドは、会社員の給料から引かれる社会保険料を、2026年(令和8年)の料率で1つずつ計算します。対象は協会けんぽに加入している会社員で、年収を12か月で割った月給のみ(賞与なし)を前提にしています。数字は手取り計算と同じエンジンで出しており、料率の出典は出典と料率に一覧があります。
給料から引かれる社会保険は4種類
給料から天引きされる社会保険は、健康保険、介護保険(40歳以上65歳未満)、厚生年金保険、雇用保険の4つです。2026年4月分からは、健康保険料と一緒に「子ども・子育て支援金」(全国一律0.23%)も集められます。健康保険、介護保険、厚生年金は会社と本人が半分ずつ負担し(労使折半)、給料から引かれるのは本人の半分だけです。雇用保険は会社と本人で率が違い、一般の事業では本人が0.5%、会社が0.85%です(厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率)。
手順1: 標準報酬月額を決める
健康保険と厚生年金の保険料は、月給をそのまま使わず、「標準報酬月額」という等級に当てはめて計算します。たとえば月給が330,000円以上350,000円未満なら、標準報酬月額は340,000円(健康保険の24等級)です。健康保険は1等級の58,000円から50等級の1,390,000円までの50等級、厚生年金は健康保険の4等級から35等級に当たる88,000円から650,000円までの32等級です(協会けんぽ 保険料額表)。
年収4,000,000円で賞与がなければ、月給は333,333円です。これは330,000円以上350,000円未満の範囲に入るので、標準報酬月額は340,000円(24等級)になります。年収9,000,000円なら月給は750,000円で、730,000円以上770,000円未満の範囲に入り、標準報酬月額は750,000円(38等級)です。ただし厚生年金は上限が650,000円なので、年収9,000,000円の厚生年金は650,000円で計算します。
手順2: 料率を掛けて半分にする
本人負担の月額は「標準報酬月額 × 料率 ÷ 2」です。東京都の協会けんぽの健康保険料率は9.85%、介護保険料率は全国一律1.62%、子ども・子育て支援金率は0.23%(協会けんぽ 令和8年度保険料率)、厚生年金保険料率は18.3%で固定されています(日本年金機構)。端数は、本人負担分で50銭以下なら切り捨て、50銭を超えたら切り上げる扱いで計算しています。
年収4,000,000円(標準報酬月額340,000円)、東京都、40歳未満の場合の月額は次のとおりです。
| 項目 | 計算 | 月額(本人) | 年額 |
|---|---|---|---|
| 健康保険料 | 340,000円 × 9.85% ÷ 2 | 16,745円 | 200,940円 |
| 子ども・子育て支援金 | 340,000円 × 0.23% ÷ 2 | 391円 | 4,692円 |
| 厚生年金保険料 | 340,000円 × 18.3% ÷ 2 | 31,110円 | 373,320円 |
| 雇用保険料 | 4,000,000円 × 0.5% | - | 20,000円 |
| 合計 | - | 598,952円 |
雇用保険料は賃金に率を掛けるので、標準報酬月額は使いません。年額を直接計算しているため、月額の欄は空けています。この年収の社会保険料は年598,952円で、年収の15%です。
40歳になると介護保険料が加わる
40歳から64歳までは、介護保険料が健康保険料に加わります。同じ年収4,000,000円では、介護保険料の本人負担は月2,754円(340,000円 × 1.62% ÷ 2)、年33,048円です。社会保険料の合計は年632,000円になります。社会保険料は所得税と住民税を計算するときの控除にもなるので、手取りの減り方は保険料の増加分より小さくなります。この年収では手取りが年3,168,348円から年3,140,300円に下がります。
年収が上がると保険料はどう変わるか
| 年収 | 標準報酬月額 | 厚生年金の標準報酬月額 | 社会保険料(年) | 年収に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 4,000,000円 | 340,000円(24等級) | 340,000円 | 598,952円 | 15% |
| 6,000,000円 | 500,000円(30等級) | 500,000円 | 881,400円 | 14.7% |
| 9,000,000円 | 750,000円(38等級) | 650,000円 | 1,212,288円 | 13.5% |
厚生年金の標準報酬月額は650,000円が上限で、月給が635,000円以上(年収762万円以上)になると厚生年金保険料は増えなくなります。年収6,000,000円の厚生年金は標準報酬月額500,000円で、上限にはまだ届いていません。年収9,000,000円は上限に達しているので、厚生年金の本人負担は月59,475円で止まり、健康保険料だけが等級に応じて増えます。年収に占める社会保険料の割合は、上の表のとおり年収ごとに違います。
都道府県で変わる健康保険料
協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに違います。2026年度は新潟県が9.21%で最も低く、佐賀県が10.55%で最も高い料率です。年収5,000,000円、40歳未満で比べると次のようになります。
| 都道府県 | 健康保険料率 | 健康保険料(年) | 手取り(年) |
|---|---|---|---|
| 新潟県 | 9.21% | 226,560円 | 3,955,508円 |
| 東京都 | 9.85% | 242,304円 | 3,942,264円 |
| 大阪府 | 10.13% | 249,192円 | 3,936,376円 |
| 佐賀県 | 10.55% | 259,524円 | 3,927,544円 |
会社が健康保険組合に加入している場合、料率は組合ごとに違い、この表とは一致しません。国民健康保険の人も対象外です。
この計算に入っていないもの
賞与にかかる社会保険料(標準賞与額に料率を掛けるもの)は含めていません。月給に残業代や通勤手当が含まれる場合、標準報酬月額はそれらを含めた月額で決まるので、年収を12で割った額とずれることがあります。標準報酬月額は、4月から6月の3か月の平均で毎年見直される「定時決定」や、昇給後の「随時改定」でも変わります。この計算は、年収を12か月同額で受け取る前提の目安です。
自分の年収で手取りを計算する出典
- 協会けんぽ 令和8年度の都道府県単位保険料率
- 協会けんぽ 令和8年3月分からの保険料額表(東京支部)
- 日本年金機構 厚生年金保険料額表
- 厚生労働省 令和8年度の雇用保険料率
- 使った料率ごとの出典と確認日: 出典と料率
この計算は「出典と料率」にある料率から出した一般的な情報です。給与明細、源泉徴収票、住民税の通知書の代わりにはならず、個人の事情は反映していません。料率は2026年11月2日時点です。